今の保存食の主流は、アルファ米。たしかにメリットとして、種類も豊富で軽量、比較的価格もお手頃だけど・・・。災害時で水がないと調理できない、出来上がるまでに時間がかかったりスプーンがないと食べ辛いといったデメリット部分も結構重要な要素ですよね。たとえば、調理不要なレトルト保存食があればいいけど、今販売されている一般的なレトルトご飯の商品は、おかゆやリゾットっぽい水分量の多いものばかり。おにぎりのような固形タイプで長期保存できるレトルト食品が作れないかなぁと私たちは考えました。
レトルト食品の安全基準をクリアするための加熱をすることで、お米の色味の退色に一番悩まされました。ほんと何回も試作しました。
製造現場では、昆布おにぎりの工程で結構苦労しました。機械に昆布が絡まって絡まって。スムーズに(機械が動作)できるよう1cm・2cmと調整するのが大変でした。
そうなんですよ!高橋も言ってますけど、実は最初の頃昆布は細めだったんですけど、機械(が正常に動作するため)の関係もあってある程度、太さが必要で。あれこれ試しました。
完成した昆布のおにぎり
他には、やっぱり機械ですかね~。
この(レトルト)おにぎりを作るにあたって、それまで使ったことのなかった新しい機械も導入したので、まずは使い方を勉強することから始めて。初めてのことばかりで大変でした。
原が工場のみなさんのお話を聞きながら、恐縮しきりの体でいます(笑)
僕は、社内で試食会を行ったりしましたが、食品って個人個人嗜好が違うので、味の濃い薄いや固さ加減など毎回意見が分かれて大変でした。なんとか意見をまとめつつ、無事商品完成までもっていけて良かったです。
北海道産米100%というのはひとつ大事なポイントですね。
北海道産米は粒立ちがいいんですよ。レトルト加工の工程にも耐えきれる品質。おにぎりは米が主体なんで大切なこと。
おにぎり博士の解説
北海道産は、お米のもちが良くて割れが少ないんじゃよ!他県のお米と比べても割れが少ないのは、日本トップクラスなんじゃないかと思うぞ!
製造工程では、お米の撹拌の際空気を入れてしっかりきってます。冷まし方も手間がかかる方法でも丁寧にやっているので、(弊社の製造する)ごはんがおいしいというのはあると思います。
工場見学をして思ったんですけど、あれは釜だきですよね?
そうなんです!作っているのは、ガス釜ですね!電気と比べるとガスの方がパワーが強いんです!
おにぎり博士の解説
釜だけど、形が丸かったじゃろ!釜が丸ってところもい いんじゃ!
他の製造工場さんは、(釜の形が)丸くないんですか?
そうですね、電気釜のところは、効率よくムラなく炊けるというので(釜が)四角だったりしてますね。確かに効率はよくなりますけど、うちは丸形だしガスです。
うん、やっぱりパワーですね、加熱の時の。ガスの方が(電気より)強い。だから米が(釜のなかで)対流して、美味しさに繋がってるのかも。踊り炊きみたいなイメージ。それと、丸型のガス釜だと少しおこげみたいなる部分もありますが、そこが美味しいところなんですよね!
おにぎり博士の解説
この商品は、他にはどこにもないんじゃよ~!世の中にないものを作るのは大変だぞ~!
ぼくは、レトルトという安心感ですね。第三機関からのレトルト検査もクリアしています!
※レトルト食品とは調理済みの食品を密封し、加圧加熱殺菌を施した食品のことです。
パウチされた商品がレトルトというイメージの方がたくさんいると思うのですが、本当は厳しい基準があるんですよね?
そうなんですよ!レトルトの加工のために温度を上げすぎると商品にダメージがあったり、温度を低くすると時間が長くなりすぎたりして、ここは本当に苦労しました。
おにぎり博士の解説
レトルトというのは保存料、殺菌料が不使用で殺菌された製品のことだから、保存食にぴったりなんじゃ!製造過程で2回滅菌工程をしてるぞ!美味しいも大事なんだけどとにかく安心安全が大切!
コンビニ商品などをメインにしている弊社では、長くても開発はだいたい3ヶ月くらいです。今回の商品は間の空いた期間を入れて、開発に2年以上かかりました。(苦笑)
何回作ったか分からないくらい作りましたね。
100回以上でしょうか?
(原の顔をみながら・・・)
居心地の悪そうにしている原・・・
・・・(苦笑)
まずは、最初の段階で今の味にもう3種類追加して、6種類くらいを考えてます。実際、すでにテストサンプルに取り掛かっていただいてます。そこから先は、また次のステップですね。まだまだこれからもみなさんにご協力してもらいながら進めていきます。